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不安が強くなる

生活していく中で、自分は誰かに怪我を負わせたりしないだろうかという思いにとらわれてはいませんか。例えば、ホームで電車を待っている時、前にいる人を線路へ突き飛ばしたりしないか、他人の赤ん坊に対して何かしらの危害を与えたりしないか、ナイフで人を刺したりしないか等があります。誰しも不安を持つことはありますが、不安が段々大きくなっていくと恐怖感を抱くようになってしまいます。これを加害恐怖と呼びますが、罪悪恐怖や危害恐怖と呼ばれることもあります。他にも、運転中轢いた覚えはないけれど、もしかしたら気づかないうちに人を轢いてしまったかもしれないという思いでバックミラーを何度も見てしまったり、道を引き返したりする行為も加害恐怖の症状の一つに該当します。そもそもこういった不安が起きるのは、普段から他人を傷つけることは絶対に許されるべきことではないという強い考えを持っているのが原因で、特に教育に励んでいる人や宗教に入っている人が罹りやすくなっています。また、人は相手を信用することでご自身の精神を安定に保っているので、信用していた相手に裏切られて心に大きな傷を負ってしまった場合も加害恐怖に罹る原因になります。

不安を引きずらない

加害恐怖に罹らないようにするには不安を無くすこと。だからといって、そればかり重視すると却って不安が大きくなり、結局加害恐怖に罹ってしまうので、まず不安材料を考えるよりも、不安に引きずられないように努力することが大切になります。人を傷つけないという思いを持つのはとても良いことですが、それより一番大事なのは、自分自身をもっと強くすることなのです。強迫性障害は真面目な人が陥りやすいので、日頃からストレスの発散も行うことが大切です。

治す方法

加害恐怖を治す方法は色々あります。医療機関に行く前に、まずは試してみるのもいいでしょう。まず、わざと不安を起こす行動を取ってみるという方法があります。人混みの場合、人を避ければ避けるほど不安は大きくなってしまうので、わざと両手を大きく振って歩くようにします。他には、安心とは逆の場面を想像する方法があります。もし他人に危害を与えたら周囲が大騒ぎしているはずだと頭の中だけで納得するのは、余計加害恐怖を悪化させてしまうことになるので、逆に誰かに危害を加えてしまったと考えるようにします。さらに強迫行為をしないという方法も試してみましょう。強迫行為をしないように努力すること、また周りから確認したほうがいいと言われてもそれに応じないように我慢します。強迫性障害は、いまネット上で無料診断も行われています。それを試してみるという方法も試してみるのも1つの方法です。時間も1分程度で10問ほど出されるので、手間もかかりません。もしその無料診断で強迫性障害の可能性があれば、その時点で医療機関を訪ねてみるようにしましょう。

一人だけで悩まずに

加害恐怖を治すためにはご自身が努力することが必要ですが、自分だけで治そうとするのは至難の業になります。決して一人だけで悩まず、ご家族に相談するようにしましょう。また家族だけではなく、医療機関へ行くことも重要です。そこでは薬物療法や心理療法など、その人の症状に合った方法で治療を進めてくれます。強迫性障害の症状が仮に悪化していた場合、うつ病になったり処方される薬が精神病薬だったりするので、なるべく強迫性障害の段階で抑えられるように早期受診が求められます。